組織情報

あいさつ

 2019年末に中国武漢市で発生した新型コロナウイルスは、またたく間に世界中に広がり、3月11日にはWHOがパンデミック宣言をしました。累計感染者は数千万人に達すると予想されています。そして、その経済的損失は、リーマンショックや1929年の株価大暴落に端を発する世界大恐慌をはるかに凌ぐとさえ言われています。医学が発展した現在でも目に見えないウィルスを抑え込むのは至難の業です。
 近年、大規模自然災害が頻発しています。被害を最小限に抑え込むためには、パンデミックを阻止するのと同様に事前の備えが極めて重要です。事前の備えとしては、防災教育が効果的です。個人の、家庭の、地域の、そして、あらゆる組織の防災力を、防災教育により高めておくことが大切です。そこで、本センターでは、大学と行政、それと民間が協力して、小学生から高齢者に至るまでの切れ目のない防災教育に取り組みます。その取り組みの仕組みは全国に例を見ないほど組織的で、継続的、かつ自律的なものです。

組織的な取り組み

 愛媛大学と東京大学、それと松山市が中心となって、松山市の防災教育に関わる官民学の関連組織からなる松山市防災教育推進協議会を設置し、その協議会からの委託で、愛媛大学に松山防災リーダー育成センターを寄付講座として設置しています。防災教育に関わる官民学の関連組織がネットワーク化されており、松山防災リーダー育成センターを中心として、学校防災教育や地域防災教育などに関して組織的な取り組みが可能となっています。

継続性

 小中高と大学に学生防災リーダークラブを設置することにより、児童・生徒の成長に応じて学び、実践力を身に付けるようにしています。また、卒業後は地域で防災リーダーネットワークに加入し、社会人として組織や地域の防災リーダーとして、一生を通して活動に取り組む場を提供するようにしています。

自律性

 小中高や地域などでの膨大な防災教育活動を実践するために、大学生や社会人防災士数百名を指導者として育成します。そして、彼らが防災教育活動に取り組むことにより、極めて自律的な取り組みが可能となっています。

本センターでは、以上の趣旨に賛同して、参加頂ける方を募集しています。

  • ・小中高生のジュニア防災リーダークラブへの入会
  • ・大学生の学生防災リーダークラブへの入会
  • ・防災士などの防災関連専門家の防災エデュケーターへの登録

 防災教育を受けてみたい小中高生、ならびに防災教育活動に実践的に取り組みたい大学生、また、学校防災教育や地域防災教育の指導者として本センターの活動に協力頂ける方を募集しています。防災について学びたい児童生徒、ならびに学校や地域での防災教育を担う意欲をお持ちの方はぜひ連絡ください。お待ちしています。
 併せて、本センターでは、学校、地域、会社や団体など、各種の防災教育活動について各種の相談を受け付けています。講師派遣、指導、助言など、何でもお気軽にお声がけをお願いします。
 本センターは、皆様と共に地域の防災人材の育成、そして、地域防災力の強化のために活動してまいります。皆様の支援と連携をよろしくお願いいたします。

松山防災リーダー育成センターとは? Matsuyama Bosai Leaders Training Center :Matsuyama BLTC

設置目的

 本センターは、大規模自然災害に備えるために、小学生から高齢者に至るまでの切れ目のない防災教育実施のためのシステム構築と防災教育プログラムの開発ならびに実践を通して、地域防災力の飛躍的な向上を図ることを目的としています。具体的には、松山市と東京大学復興デザイン研究体ならびに愛媛大学防災情報研究センターと防災関連の市内の産官学民の組織が連携して、全世代型ならびに全組織対応の防災研修プログラムの作成と防災教育の実践に取り組みます。そして、50万都市である松山市の全市民を対象として、地域防災教育、学校防災教育、企業BCPなど、継続的、自律的、かつ効率的な防災教育モデルの構築を図ります。

本センターの研究内容

防災リーダー育成システムの開発

 事前の避難率を高め、犠牲者ゼロを目指すためには、また、効果的な避難所運営などを行うためには、徹底した防災教育や防災訓練が効果的です。しかし、現在、実施されている防災教育は、継続性ときめ細やかさに改善の余地があるように思われます。
 ところで、町内会単位や全小中学校などを対象として、継続的で、かつ、綿密な防災教育を実施するためには、多数の防災教育リーダーを必要とします。そこで、大学生や高校生などの学生、また防災士や自主防災組織の責任者などを防災リーダーとして育成するための研修プログラムの開発などに関する研究を行います。

学校防災教育システムの開発と実践

 学校防災教育に関しては、すでに様々な取り組みがなされています。しかし、小学校、中学校、高等学校、そして大学と連続性を有する防災教育プログラムが構築されている例は少ないように思います。そこで、本研究では、小学校から大学まで一貫した防災教育プログラムの開発に取り組みます。その中で、中学校や高等学校では防災士資格取得に加えて、ジュニア学生防災エデュケーター資格制度の構築、大学では学生防災エキスパート資格制度の導入や大学認定の防災教育カリキュラムの構築などに取り組みます。

地域防災教育システムの開発と実践

 地域防災に関しては実に様々な取り組みがなされています。しかし、避難勧告や避難指示への住民の対応をみますと、実効性にはまだまだ改善の余地があるように思われます。本研究では、教育心理学などに基づいた効果的な地域防災研修プログラムの開発に取り組みます。また、防災士や学生防災エキスパートを対象として、指導者育成のカリキュラムの開発にも取り組みます。このプログラムで育った防災リーダーが、小中学校での防災教育や地域防災教育、更には企業BCP推進の中核メンバーとして活躍し、そこで実践力を身に付けてもらうシステムを構築します。

企業BCPシステムの開発と展開

 各組織が災害に備えてBCPを策定しておくことは、組織の存続ひいては地域の存続のために必須の課題です。しかし、松山市内の各組織のBCPの策定はまだまだ十分ではないようです。
 そこで、本研究では企業BCPや福祉系の施設でのBCP策定のための効果的な講習プログラム開発のための研究と実践を行います。

外国人防災教育システムの開発と展開

 グローバル化の時代を迎えている上に、外国人観光客などの短期滞在者の急増もあり、外国人への防災対応は喫緊の課題の一つです。そこで、本研究では、松山市内の外国人留学生を防災アンバサダーとして育成し、彼らを防災リーダーとして、外国人滞在者への防災教育を実施します。また、地域や学校での防災教育に積極的に関わることにより、国際理解の推進と防災教育の効率化にも寄与します。それとともに、開発した松山全世代型防災教育モデルを、留学生防災アンバサダーなどを通してネパール等のアジアの自然災害多発国家に移転する方策などについて研究します。これを通して、アジア、ひいては世界の防災教育の推進に寄与していきます。

総合防災教育システムの開発と展開

 大規模自然災害は、個人の尊い命を奪うだけでなく、町を破壊し、住民の生活基盤を奪います。このような自然災害に立ち向かう力をつけるためには、小学生からの継続した防災教育が必要です。それとともに、あらゆる組織体が連携した総合的な防災や災害復旧への取り組みが求められます。そこで、小学校、中学校、高等学校、大学、地域企業、それと地域社会の全ての組織が連携した総合的な防災教育の在り方について研究します。また、地方創成には、地方の発展を支える優秀な人材の育成が何より必須の課題です。そのため、小学校から高校、また、大学までの学校防災教育を通して、地域を知り、家族と地域を愛する精神を育み、卒業後は地域のリーダーとして活躍する人材育成の仕組みについても研究します。

担当教職員

専任教職員
  • 愛媛大学防災情報研究センター特命教授 矢田部 龍一
  • 愛媛大学防災情報研究センター特定教授 中尾 順子
  • 愛媛大学防災情報研究センター地域連携職員 喜安 祥隆
  • 愛媛大学防災情報研究センター研究補助職員 中島 淳子
兼任教員
  • 愛媛大学社会共創学部教授 ネトラ・P・バンダリ
  • 愛媛大学社会共創学部准教授 羽鳥 剛史
  • 愛媛大学防災情報研究センター特任教授 山本 浩司
  • 愛媛大学防災情報研究センター准教授 二神 透
  • 愛媛大学大学院理工学研究科准教授 木下 尚樹
  • 東京大学大学院工学研究科教授 羽藤 英二